2008.7.5−9 |
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海の家波輝カフェの壁画に描かれた人魚姫と人鳥王の禁断の恋物語。 「波輝の中で」 |
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人魚姫ウェイビアはいつも空から来る鳥に憧れていました。人魚は15歳になったら陸に上がれる掟。しかし、空の鳥なら15歳にならなくても空へ連れてってくれると聞きました。 ウェイビア「仲間がどんどん空へと連れていってもらえるのに、私はいつまでたっても 見つけてくれない。でも、いつか私にも。きっと。」 |
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ある日ウェイビアは、ある海岸近くまで泳いできた時、人鳥王シャインと出会いました。 |
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シャインはウェイビアに近づき襲おうとした瞬間、 ウェイビア「私を迎えにきて下さったのですね。王子様。どうか空へと連れてって下さい。」 |
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シャインは驚きました。そして純粋なウェイビアの瞳に惚れてしまいました。 シャインは空へと連れて行ってあげたい気持ちと、ウェイビアを殺したくない気持ちで揺れました。 |
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そして、「いいかい、良くお聞き。君を今空へ連れてってあげることはできない。君を生きたまま空へ連れ帰ることは掟に反することなのだ。しかし、必ず君を迎えにくる日は来る。だからそれまで、静かに海の底で待っていてほしい。今この場所で、その証しを授け、君への愛を誓わせてくれ。」 シャインは羽を一つ抜き、ハートの欠片に変え、ウェイビアの胸へと授けました。 |
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ウェイビアはその手を見つめ「ありがとうございます。きっとあなたと空を飛べる日を信じて待ち続けます。」と、鱗を一つ剥がし、ハートの欠片に変え、シャインの胸へと授けました。 | |
シャインが去ろうとした時、ウェイビアは叫びました。 「待って、でも、私はまた会えるか不安だわ。あなたと私の間にはただ、長く続く波輝しかない。」 シャインは、答えました。 「わかった。私の親友のエールは海も陸も自由に行き来出来るトンネルの番人なんだ。君がもし、私に言霊を届けたい時は、彼に言付けてくれ。他の人鳥が寝静まった深夜に彼は私に伝えてくれるだろう。」 |
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ウェイビアは頷きました。 「では、その時、眠りにつく恋人の姿を借りて、あなたと一時を過ごさせて下さい。」 |
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シャイン「きっと。」 ウェイビア「きっと。」 シャイン「必ず」 ウェイビア「必ず」 ウェイビアは深い深い海へと潜りました。シャインも空高くへと戻りました。 |
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蛙の鳴く夜よ。長くこの時を叶えるために泣き続けておくれ。 海を訪れる者達よ。気づいておくれ。 二人が繋がる瞬間をあなたが気づいたとき、二人は再び会うことが出来ることを。 |
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この愛よ。永久に。波輝の中で。 | |
ーfinー | |
制作過程 | |
◯系列店看板 |
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ber swallowtail 看板 広島市中区薬研掘1-8松下ビル1F |