遠く離れた家族の証

窓から見えたいつかの景色の記憶は
 今も目の裏に焼き付いています

遠く離れた家族の証は
 どこで計ればいいのでしょう

映り行く住まいを機に 
私は一つの思いでを辿りながら旅に出ます

それはほんの些細なこと
 好きな物 してきたこと 行った場所
ふと気付くと忘れられた片隅の欠片まで広い集めていました

「私達はこんなにも共に過ごしてきたのですね。」
バラバラになっていた記憶を新しい箱にしまい直しました

いつか見た景色 
夕焼け雲が遠く遠くまで伸びゆく空
逆光に包まれた家たち
その日は虹が見えました 
とてもきれいです
 綺麗でした

この景色をみることはもうないけど もうないけど
重なる影はいつまでも消えはしないから
新しい窓から外を眺めながら
 新たな思い出の景色を作ればいいのですよね

遠く離れた家族の証

私はそこにはいないけど
 私達が築いてきた時間が
 私の中にあることに気付いたから
旅立つ家族のために
 私はこの絵を捧げます


「遠く離れた家族の証」

2005

油絵・ボールペン

F4

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